俺と真田の旦那の関係は主と部下。
真田十勇士として旦那に仕えてるんだけどさ。
最近、旦那が放って置けないし…気になる。
でも、残念ながら俺は忍。
忍は自分の感情とか殺さなきゃいけない。
やれやれ、俺はどーなっちゃうのかな?
What is WORSE
「佐助ぇー!」
キラキラと瞳を輝かせながらする上目遣いは悩殺モノだ。
か、可愛い。
思わず顔の筋肉が緩むのが分かった。
じゃなくて!!!
忍は己の感情を殺さなきゃいけないんだよ!
よし、落ち着け俺!
思いっきり空気を吸って深呼吸。
「ん?どーしたの旦那。」
「某…団子が欲しいでござる!」
「はいはい、じゃちょっと待っててね。」
はぁ、もう俺の頭は相当逝っちゃってるぽいよ。
ついさっきの悩殺おねだりで期待してるんだから。
え、何に期待したかって?!
子供は聞いちゃダメだよ。
*
「団子おいしい?」
「最高でござるよ!」
嬉しそうに団子を頬張ってさ。
そんなにおいしそうに食べてもらうと買って来た甲斐があるってモンだね。
「旦那は団子が好き?」
「うむ、大好きだ!」
あぁ、団子が羨ましいよ。
旦那に大好きって言ってもらえて。
俺にも…言ってほしい。
横に座ってる旦那をジッと見つめて、こっちを向いてくれないかと待ってみる。
まだ、旦那は振り向いてはくれないけど…
こーやって二人でゆっくりしてられるのは
凄く幸せで。
ずっとこーしていたいと願っている
また、旦那を一人占めしたいと思う独占欲が自分の中で生じていた。
「旦那。」
「ん?」
振り向いた瞬間
俺はいつの間にか自分を抑え切れず
旦那の柔らかい唇に俺の唇を合わせていた。
唯…気付いた時には遅く
一瞬の出来事だったため旦那は何が起きたのか分からず口は半開きままポカンと上の空になっていて
その姿を見てから、
チーンと俺の頭の中で鳴り響いた気がした。
そうだね、御愁傷様だね。
『忍とは己の感情を殺さなきゃいけない』
俺は己の感情をもろ出してしまっていて
さらに悪いのは…
行動してしまったこと。